ブレーラ宮美術館
スカラ広場からならスカラ座に向かって右わきのヴェルディ通りを歩いて行くと
一本道で約600メートルだ。
道路から入った所は豪壮な二層造りの柱廊に囲まれた中庭で、
その規模の大きさに感心させられる。パラッツオと呼ばれているが、
宮殿ではなく、イエズス会の建物だった。
イエズス会がいかに大きな財力を持っていたかが分かる。1658年に着工され、
1773年に完成したが、完成の直前に女帝マリア・テレジアの命令でイエズス会は
解散させられ、この建物も没収されて、美術館その他の目的に使われることになった
のである。
当時ミラノはオーストリアのハプスブルク家に支配されていた。
中庭のまんなかにはカノーヴァ作のナポレオンのブロンズ像(1809年)がある。
美術館の入口は2階にある。ヴェロネーゼの『ゲツセマネの園のイエス』、
ティントレットの『聖マルコの遺骸の発兄』、足の裏をこちらに向けた姿で迫真の
リアリティをもって描かれているマンテーニャの「死せるキリスト」、
この絵は、入場券にプリントされている。
イェルサレムの「岩のドーム」を背景にしたラファエッロの『マリアの婚約』、
ひざまずくフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公が描き込まれている
ピェロ・デッラ・フランチェスカの『荘厳の聖母マリア』、
ブラマンテのフレスコ連作、ルイー二の『バラの園の聖母』など、
イタリアの絵画を語る上で欠かせない名作が多数展示されている。
美術館の入り口が分からず、中庭の奥の建物に入っていくとどうも様子が違う。
どうやら美術大学の構内のようであった。ふたたび中庭で学生ぽい若者に聞くと、
この階段の上が入り口だとのことであった。
意外とわかりずらい。まあ1人でくるものも少ないから、ほとんどガイドの案内で
入場するので問題はないのだろう。