環境危機時計とは、地球滅亡の12時までの時間を示す「終末時計」である。
環境が悪化して地球が滅亡する時刻を12時に設定し、
0〜3時は「ほとんど不安はない」、3時1分〜6時が「少し不安」、
6時1分〜9時が「かなり不安」、9時1分〜12時が「極めて不安」となっている
今年の日本は9時34分。昨年より19分進んだ。スタートの92年より
1時間56分進んだことになる。
あと2時間26分で地球滅亡である。
世界平均も14分進み9時31分と、92年の調査開始以来最も進んだ。
調査初年の92年には、国連環境開発会議(地球サミット)が開かれ、
世界の首脳は気候変動枠組み条約などを採択し、環境を守る決意を示した。
当時の世界平均時刻は7時49分。
だが、温室効果ガスの排出抑制は進まず時計の針は悪い方向に進み続け、
96年には初めて9時台に突入した。
地域別に最も危機意識が高いのがオセアニアの10時27分。諸島が点在し、
温暖化による海水面上昇に伴って水没の恐れが指摘される。
次いでアフリカの10時2分。20年までに7500万〜2億2000万人が
新たに水不足に陥ると予想される。
逆に危機意識が希薄だったのは日本を除くアジアの9時10分で、情報が十分
伝わっていないのが背景とみられる。
日本の9時34分は、世界平均より「3分」、日本を除く海外平均9時28分より
「6分」進んでいた。その分だけ、日本の専門家が環境への危機を深刻に受け止めて
いるということだ。
京都議定書が採択された97年以前は、日本の環境危機時計の針は海外に比べ
43〜75分も遅れていたが、最近では10分以内の差に収まっている。