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漆工芸「雲龍庵」であるが、出来るのを待って世界のコレクターが、自家用ジェットで
買いに来るため、日本のマーケットにほとんど出てこないが
ウオルサムの懐中時計と「雲龍庵」がコラボした製品が
日本市場にあるのだ。
2011年スイスの時計の祭典「バーゼル・ワールド」で発表された
160年の歴史を持つ「ウオルサム」の2点の懐中時計(非売品)だ。
一つは「水面(MINAMO)」
「水面を通して見える金魚の透明感、奥行き感を出すために製作工程には
長い時間を要しました。素材には夜行貝という巻貝を使用しているのですが、
数多くの貝のなかから同じ色調の素材を選別するのが重要であり、手間と
時間のかかる作業なのです。
文字盤には黒い漆を縫った上にスライスして、カットした貝を貼り付けていきます。
そうすることによって水面のゆらめきと、水の中で泳ぐ金魚を表現しているのです。
もう一つは「日月(Night and Day)」である。
「日月(Night&Day)」と名のついた、手巻き機械式の懐中時計の文字盤には、
特有の技法(蒔絵や螺鈿など)によって、華やかな蝶と唐草模様が描かれている。
裏はスケルトン構造となっており、ハンドメイド装飾が施された
スケルトンムーブメントの奥には、蜘蛛が隠れている。“蝶と蜘蛛”で、
人の世の流れとなる“陰と陽”が表現されている。
雲龍庵技法による装飾が文字盤の両面(特許出願中)に備わっているのも
魅力となっており、平面に何層にも重ねて塗り研ぎ出した漆装飾がさらに
立体感を生んでいる。
印籠というと水戸光圀の三つ葉葵の印籠を「この印籠が眼にはいらないか!」と
見せるシーンが目に浮かぶが、この印籠の造りには秘密があったのだ。
「雲龍庵」が現在の形になるきっかになったのが「印籠」でした。
江戸時代にたくさん作られていた印籠ですが、小さな箱が5つほど重なった
複雑な構造で、実はその制作の技術は途絶えていました。
参考写真は、江戸以前のオリジナル印籠
北村辰夫さんは試行錯誤の末、江戸時代に匹敵する印籠制作に成功。
その作品は、イギリスのヴィクトリア&アルバート・ミュージアムに買い上げられ、
個展を開くまでになりました。
美術館とコレクターは強いつながりがあり、世界中にいる印籠コレクターとつながる
ことができたのです。
5つの漆作品を1つに合わせることが非常に難しい技術なのである。
5月11日(金)NHK総合で「世界のセレブを狙え!伝統工芸の新たな挑戦」と
題した番組が夜10時から10時50分に放送された。
メインキャスターは、ネプチューンの原田泰造さん。
そして原田さんとコンビを組むのはNHKを代表する実力派、伊東敏恵アナウンサー
番組ではまず、石川県輪島市に拠点を置く、漆芸工房・「雲龍庵」を訪ねる。
8人の職人が所属する工房が作り出すオリジナルの漆芸品は、最低100万円台で、
主には1千万円ほどする超高級品だ。しかし完成した作品は、世界各国にいる
コレクターがプライベートジェットで駆けつけ、競うように買われていく。
作品が人の目に触れることを「目垢がつく」と嫌われ、雑誌やインターネットなどに
掲載されることもほとんどない。
多くの伝統技術が行き詰る中、世界に目を向けた小さな工房のビジネスモデルにせまる!!
この番組をみて驚いた
とにかく桁違いのオーストラリアのセレブが、「雲龍庵」の漆工芸品を自家用ジェットで
日本にまで来て買い求めている。
実を言うとこの石川県の工房の主催者である北村辰夫氏とは、昨年ある方を通し
知り合い特別のプロジェクトをいっしょにさせていただいた。
放送の前日、5月10日にも電話でお話したところだった。
歴史的な漆工芸を復活させた北村氏は、世界の美術市場で、いかに高く評価
されているのかはっきり分かった。
日本人が感じる漆工芸と、「ジャパン=漆」と呼ぶ海外のコレクターが思う漆工芸に
大きな差があったのだ。
海外の方のほうが、漆の難しさ、良さをわかっているのだ!
それだからこそ、ジェットで日本まで飛んできて出来たばかりの品を争うように買うのだ。
鎌倉・室町時代できていた漆細工が今ではだれも造れなくなっていた。
この技術を復活させたのが「雲龍庵」北村さんなのである。
来週もお会いすることになっている。ぜひ、素晴らしい漆作品を日本でもみせていただきたい。